オーバードライブを2台つなぐと、1台だけでは作りにくい「軽い歪み」「太いバッキング」「抜けるソロ」を足元で切り替えやすくなります。ただし、2台ともDRIVEを高くすると、音がつぶれ、ノイズも増えやすくなります。
初心者が最初に試すなら、前のペダルはブースター、後ろのペダルは基本の歪みとして役割を分けるのが簡単です。この記事では、接続順による違い、具体的なつまみ位置、自宅の小音量で失敗しにくい調整順を解説します。
結論:軽い歪みを前、強い歪みを後ろから試す
基本の接続はギター → 軽い歪み・ブースター → 基本の歪み → アンプです。
BOSS公式の接続順ガイドでも、複数の歪み系は軽いドライブから強いディストーションへ並べる考え方が紹介されています。2台の歪みを同時に使う方法は「ゲインスタッキング」と呼ばれます。
ただし、これは絶対のルールではありません。順番を逆にすると、前段の音を後段ペダルが強く整えるため、音色や弾き心地が変わります。まず基本形を作り、その後で入れ替えて比較するのが効率的です。
前段と後段で何が変わる?
前段:後ろのペダルを押す役割
前段ペダルのLEVELを上げると、後段ペダルへ強い信号が入ります。結果として、後段の歪み量、サステイン、中域の密度が増えます。アンプに届く最終音量が大きく増えるとは限りません。
前段はDRIVEを低めにすると、音の輪郭を残したまま後段を押しやすくなります。詳しくはオーバードライブをブースターとして使う設定も参考にしてください。
後段:最終的な音色を決める役割
後段ペダルは、2台同時にオンにしたときの最終的な歪み方と音色へ強く影響します。後段のTONEが明るければ全体も明るくなり、DRIVEが高ければ音が圧縮されやすくなります。
最初に後段1台だけで使えるバッキング音を作り、次に前段を加えると迷いにくくなります。
初心者向けの基本設定
後段ペダル:バッキングの基本音
- DRIVE:10〜12時
- TONE:11〜12時
- LEVEL:オン・オフがほぼ同音量になる位置
まず後段だけをオンにし、コードを弾いて音がつぶれない範囲にDRIVEを合わせます。LEVELは時計位置ではなく、バイパス音との音量差を耳で確認してください。
前段ペダル:ソロ用ブースター
- DRIVE:最小〜9時
- TONE:11〜12時
- LEVEL:12時から少しずつ上げる
後段をオンにしたまま前段を追加し、単音の輪郭とサステインを確認します。音が太くなっても輪郭が消えるなら、前段LEVELをさらに上げるのではなく、後段DRIVEを下げます。
用途別の3つの組み合わせ
軽い歪み+太い歪み
前段を低ゲイン、後段を中程度のゲインにします。前段だけでクランチ、後段だけでバッキング、2台同時でリードという3段階を作りやすい組み合わせです。
中域を足すペダル+自然な歪み
中域が出るタイプを前に置き、後ろに広い帯域を持つ自然なオーバードライブを置くと、ソロで輪郭を前へ出しやすくなります。たとえばSD-1系を前段、BD-2やOD-3系を後段に置く考え方です。
機種ごとの傾向はSD-1・BD-2・TS9の比較とOD-3とSD-1の比較で整理しています。
BD-2とTS9を実際に重ねる場合は、BD-2とTS9の組み合わせ方で、2通りの接続順と設定の出発点を確認できます。
同じような歪みを2台
同系統の2台でも、片方を低DRIVE・高LEVEL、もう片方を中DRIVEにすれば役割を分けられます。音色が似ているため切り替えは自然ですが、両方の低音やゲインが重なると違いが分かりにくくなります。
順番を逆にするとどうなる?
強い歪みを前、軽い歪みを後ろにすると、後段ペダルの音色で全体を整える効果が強くなります。後段のLEVELに余裕があれば、最終音量を上げられる場合もあります。
一方で、前段ですでに強く歪んだ信号は元の輪郭を失っています。後段で完全に戻すことはできません。音量アップが目的なら、アンプがすでに歪み切っていないかも確認してください。
自宅・小音量での調整手順
- アンプをクリーンか軽いクランチにする
- 後段ペダルだけでバッキング音を作る
- 前段のDRIVEを最小付近にする
- 2台をオンにし、前段LEVELを少しずつ上げる
- 音がつぶれたら後段DRIVEを下げる
- 耳に痛ければ、まず後段TONEを少し下げる
- 最後に1台ずつと2台同時の音量差を確認する
小音量では低音が物足りなく感じやすいものの、BASSを増やしすぎると2台同時で音がぼやけます。詳しくは自宅・小音量で音が細いときの設定を参照してください。
よくある失敗と直し方
2台ともDRIVEが高い
ノイズが増え、コードの分離が悪くなります。まず前段DRIVEを下げ、それでもつぶれるなら後段DRIVEも少し下げます。
2台同時で音量が上がらない
後段ペダルやアンプですでに強く圧縮されている可能性があります。音量を上げたいなら、後段とアンプのGAINを少し下げて余裕を作ります。LEVEL調整はオン・オフの音量差を合わせる方法で解説しています。
高音が痛い・低音がぼやける
2台のTONEを同時に動かすと原因が分からなくなります。後段TONE、前段TONE、アンプEQの順で1か所ずつ調整してください。
ノイズが急に増える
2台のゲインだけでなく、電源の共有やパッチケーブルも確認します。切り分け方はオーバードライブのノイズ対策7ステップにまとめています。
確認に使える公式情報
BOSS公式記事では、オーバードライブとディストーションを同時に使うゲインスタッキングや、オーバードライブを前段に置いて後段の歪みを押す方法が解説されています。
接続順を決める前に、DRIVE・TONE・LEVELの役割や1台での基本設定を確認したい場合は「オーバードライブとは?初心者向けの使い方・設定・選び方」から読むと整理しやすくなります。
まとめ
オーバードライブ2台は、まず「軽い歪み・ブースターを前、基本の歪みを後ろ」で試してください。後段1台で基本音を作り、前段はDRIVE低め・LEVEL高めから加えると調整しやすくなります。
2台ともゲインを上げるのではなく、役割を分けることが重要です。音がつぶれたら前段LEVELを上げ続けず、後段DRIVEやアンプGAINを下げて余裕を作りましょう。

