「オーバードライブは歪ませるペダルなのに、ブースターとして使うとはどういうこと?」「DRIVEを下げてLEVELを上げると聞いたけれど、設定の意味が分からない」と迷う人は多いでしょう。
ブースターとして使うときは、ペダル単体で強く歪ませるのではなく、後ろにあるアンプや歪みペダルへ強めの信号を送り、歪み方や音の輪郭を変えます。
この記事では、接続順、基本設定、クリーンアンプと歪んだアンプでの違い、自宅の小音量で失敗しにくい調整方法まで順番に解説します。
オーバードライブをブースターにするとは?
オーバードライブには、主にDRIVE、TONE、LEVELの3つのつまみがあります。DRIVEはペダル内部の歪み量、TONEは明るさ、LEVELはエフェクトを通った後の出力音量を調整します。
ブースター設定ではDRIVEを低くし、LEVELを高くします。これにより、ペダル自身の歪みを抑えながら、後段へ送る信号を強くできます。BOSS公式でも、オーバードライブをクリーンブーストとして使う場合はDriveまたはGainを下げ、Levelを上げる方法が案内されています。
ただし、完全に音色が変わらないとは限りません。ペダルごとに中域、低域、高域の出方が異なるため、LEVELだけでなくTONEの調整も必要です。
接続順はギターとアンプの間
最初に試す接続順は次のとおりです。
ギター → オーバードライブ → アンプ
別の歪みペダルを押したい場合は、次の順番から始めます。
ギター → ブースター用オーバードライブ → メイン歪み → アンプ
前に置いたオーバードライブのLEVELを上げると、後ろの歪みペダルへ強い信号が入ります。その結果、後段の歪み量、サステイン、音の密度が増えやすくなります。
反対に、メイン歪みの後ろへ置くと、歪み量より最終音量を上げる方向に働きやすくなります。ただし、後段機器に十分な余裕がなければ、音量ではなく歪みや圧縮が増えることもあります。初心者はまず「ブースターを前」に置く方が変化を理解しやすいでしょう。
最初に試す基本設定
- DRIVE:8〜9時
- TONE:11〜12時
- LEVEL:12時から始め、1〜2時へ少しずつ上げる
LEVELを最初から最大にする必要はありません。急に大きな信号を送ると、音量が跳ねたり、歪みがつぶれたりします。まず後段の音を作り、その後でブースターをオンにしてLEVELを少しずつ足してください。
調整する順番
- ブースターをオフにして、アンプまたはメイン歪みの音を作る
- ブースターのDRIVEを低く、TONEを中央付近にする
- ブースターをオンにする
- LEVELを少しずつ上げる
- 音が硬ければTONEを下げ、こもれば少し上げる
つまみを一度に複数動かすと、何が変化したのか分からなくなります。LEVELで押し込む量を決め、最後にTONEで整えると迷いにくくなります。
クリーンアンプをブーストする場合
クリーンアンプへブースター設定のオーバードライブを入れると、音量が上がるだけの場合と、アンプが少し歪む場合があります。アンプのGAINや入力の余裕によって結果が変わるためです。
アンプをほぼ完全なクリーンにしている場合、LEVELを上げても音量と張りが増えるだけで、期待ほど歪まないことがあります。そのときはアンプのGAINを少し上げ、強く弾くとわずかに歪む状態を作ってからブースターを踏んでください。
ペダル側の色を少し加えたい場合は、DRIVEを9時から10時へ上げます。音量だけを上げたい場合はDRIVEを低く保ち、TONEでアンプとの明るさを合わせます。
歪んだアンプをブーストする場合
すでに歪んでいるアンプへ入れると、音量よりも歪み量、サステイン、圧縮感が増えることがあります。特に中域を押し出し、低域を整理するオーバードライブは、リフやリードの輪郭を作りやすい傾向があります。
音がつぶれる場合は、ブースターのLEVELだけでなく、アンプ側のGAINも少し下げます。「アンプの歪みを最大にして、さらに最大LEVELで押す」という設定は、音程やピッキングが分かりにくくなりがちです。
太さが足りないときも、すぐにアンプのBASSを上げないでください。低域が増えすぎるとブースト時にぼやけます。MIDDLE、TONE、アンプGAINの順に確認すると整理しやすくなります。
別の歪みペダルをブーストする場合
自宅では、アンプを大きく歪ませる代わりに、メイン歪みペダルをブーストする方法が使いやすいでしょう。
最初にメイン歪みだけをオンにし、普段使う音を作ります。次に前段のオーバードライブをオンにして、LEVELを上げます。音がつぶれる場合は、メイン歪み側のGAINを少し下げてください。
前段ブースターのDRIVEを上げるほど、2台分の歪みが重なります。厚みは出ますが、ノイズも増えやすいため、まず低いDRIVEから試すのが安全です。
自宅・小音量でのおすすめ設定
- アンプGAIN:軽く歪む手前
- アンプEQ:いったん中央
- ブースターDRIVE:8〜9時
- ブースターTONE:10〜11時
- ブースターLEVEL:12〜1時
小音量ではLEVELを上げても、アンプ側のMASTERや最終VOLUMEが低ければ、実際の音量差が小さいことがあります。その代わり、歪みの密度や弾き心地が変わります。
オンにした瞬間だけ耳に痛い場合は、TONEを少し下げます。低い弦が広がる場合は、アンプのBASSかメイン歪みのGAINを下げます。小音量向けの全体的な調整は自宅・小音量で音が細いときの設定7ステップも参考にしてください。
ブーストと音量アップは同じではない
ブースターを踏めば必ずスピーカーから出る音量が大きくなる、という理解は正確ではありません。
クリーンで余裕のある機器へ送れば音量が上がりやすく、すでに強く歪んでいる機器へ送れば、音量より歪みや圧縮が増えやすくなります。ソロで明確に音量を上げたい場合は、後段に置くブースター、アンプのエフェクトループ、アンプのソロ機能などが適することもあります。
初心者はまず、ブースターの目的を次のどちらかに決めてください。
- 歪みやサステインを増やしたい
- 最終的な音量を上げたい
目的が曖昧なままLEVELを上げると、「音は変わったが欲しい変化ではない」という結果になりやすくなります。
よくある失敗と直し方
| 症状 | 主な原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 音がつぶれる | LEVELまたは後段GAINが高すぎる | 後段GAIN、次にLEVELを下げる |
| 低音がぼやける | 歪みと低域が重なりすぎる | ブースターDRIVEかアンプBASSを下げる |
| 耳に痛い | TONEやTREBLEが高い | ブースターTONEを少し下げる |
| 音量が上がらない | 後段がすでに強く歪んでいる | 後段GAINを下げるか配置を見直す |
| ノイズが増える | 2台のGAINが高い | 前段DRIVEから下げる |
SD-1・TS9・BD-2・OD-3の使い分け
SD-1は中域を前へ出し、低域を整理するブースターとして定番です。歪んだアンプや後段ペダルの輪郭を整えたい場合に試しやすいでしょう。詳しくはBOSS SD-1レビューをご覧ください。
TS9も中域に特徴があり、ギターを前へ出す用途で使いやすいモデルです。SD-1を含めた違いはSD-1・BD-2・TS9比較で整理しています。
BD-2はDRIVEを低くしてLEVELを上げると、アンプの反応を活かしたブーストを作りやすいタイプです。明るく感じる場合はTONEを下げます。
OD-3は厚みを加えながらアンプを押したい場面で候補になります。低域が多い環境では、DRIVEとアンプBASSを控えめにしてください。OD-3とSD-1の役割の違いはOD-3とSD-1比較で確認できます。
ブースター用途だけでなく、単体での基本設定や最初の1台の選び方も確認したい場合は「オーバードライブとは?初心者向けの使い方・設定・選び方」もあわせてご覧ください。
まとめ:DRIVEを下げ、LEVELを少しずつ上げる
オーバードライブをブースターとして使う基本は、DRIVEを低く、LEVELを高めにすることです。ただし、LEVELを最大にすることが目的ではありません。
先にアンプやメイン歪みの音を作り、ブースターを前段に置き、LEVELを少しずつ上げます。音が硬ければTONE、つぶれれば後段GAIN、ぼやければBASSとDRIVEを見直してください。
この順番を守れば、機種やアンプが変わっても、自分が必要とする「歪み」「輪郭」「音量」のどれを増やしているか判断しやすくなります。

